目次
台湾旅行市場の現況
■エバー航空とスターラックス航空、航空会社の格付けで最高評価5スターを獲得
■タイガーエア台湾、7月17日から台北(桃園)―石垣路線の運航を開始
■KKdayが15%の人員削減を発表 AI中核の企業へと路線転換図り
■観光署長に陳玉秀氏が就任 初の民間登用、観光・文化産業で豊富な実績
■MITSUI OCEAN FUJIが台湾発クルーズ実施へ 日本の上質なおもてなし打ち出す
■フィリピンとブルネイが、台湾へのビザ免除措置をスタート
■台湾籍の航空会社3社、7月7日から燃油サーチャージを値上げ
■日台鉄道観光サミットフォーラム開催 低炭素旅行などテーマに深い議論
台湾人の出国統計データ
最新プロモーション事例~香港グルメ&個人旅行商品プロモーション


5スターエアラインの仲間入りを果たしたスターラックス航空(スカイトラックス社公式サイトより)

英国に拠点を置く航空格付け会社スカイトラックス社は6月17日、パリ航空ショーで「2025 ワールド・エアライン・アワード」の授賞式を開催、「ワールド・エアライン・スター・レーティング」で、スターラックス航空が最高評価の5スターを獲得したと発表した。台湾籍の航空会社では、他にもエバー航空が2016年より10年連続で5スターに認定された。

「ワールド・エアライン・スター・レーティング」は、世界の各航空会社による機内及び空港におけるサービスの品質を、1スターから5スターまでの星の数で評価したもの。スターラックス航空は2020年に運航を開始、運営5年での5スター認定となった。5スター獲得の航空会社は現在、スターラックス航空とエバー航空を含めて11社で、日本籍ではANA(12年連続)、JAL(8年連続)の大手2社も5スターを獲得している。

■スカイトラックス社 5スター認定航空会社
ANA、JAL、エバー航空、スターラックス航空、アシアナ航空、大韓航空、キャセイ・パシフィック航空、ガルーダ・インドネシア航空、海南航空、カタール航空、シンガポール航空

ちなみに同日発表の世界中の利用者による満足度を基に決定される「2025 ワールド・エアライン・アワード」でも、エバー航空は世界で最も清潔な航空会社に与えられる「ワールド・クリーンネスト・エアライン」と「ワールド・エコノミークラス・ケータリング」で1位を獲得、スターラックス航空も進歩が著しい航空会社に与えられる「ワールド・モスト・インプルーブド・エアライン」で1位を受賞した。総合ランキングでは、エバー航空が12位、スターラックス航空が18位という結果だった。


新石垣空港(資料写真/Shutterstock)

台湾籍の格安航空会社(LCC)、タイガーエア台湾は6月9日、6月末から高雄―済州路線、台中-済州路線、台北(桃園)-石垣路線の運行を開始すると発表した。石垣は同社の日本における23番目の就航先となる。

同社のリリースによると、各路線の運航開始日は高雄―済州路線が6月30日、台中-済州路線が7月1日、台北(桃園)-石垣路線は7月17日とのことで、石垣路線は夏ダイヤ期間の10月25日まで木・金の週2往復で運航される予定だ。台湾籍の航空会社では、同社と同グループに属するチャイナエアラインが5月28日から台北(桃園)-石垣路線を水・土の週2往復で運航している。


旅行予約プラットフォームのKKdayは6月25日、2025年下半期に全体の人員を段階的に約15%削減すると発表した。対象は、主に後方から支え、顧客と直接関わることのないバックオフィス部門で、国内外を問わないとのこと。同社は人員削減の理由について、AIテクノロジーを中核とした旅行テクノロジー企業へと路線転換し、世界経済の不確実性や、人々の旅行消費行動の変化に対応するためとしている。

KKdayは今年初めに「TITAN」というAIプロジェクトを始動しており、サプライヤーの注文処理自動化、カスタマーサポートでのチャットボット導入、社内ナレッジ共有システムのアップグレードによる情報検索や回答の効率化など、すでに複数の部門で成果を上げているとのこと。

一方、現地メディアの自由時報は、旅行大手他社の動向を紹介。ライオントラベル(雄獅旅行社)は今年、AIなどのデジタルテクノロジー、国際顧客の開拓、旅行商品の企画・販売・マーケティング、経営企画など、幅広い分野で500人以上の人材採用を予定しているとのこと。また、五福旅行社も、現在の約500人体制から今年末までに約700人への拡充を計画しているという。五福旅行社のスポークスマンによると、旅行会社はつまるところ「サービス業」であり、サービスの本質は「人と人とのつながりとその温かみ」であるため、今後も人員増強を通じ、オンラインとオフライン(実店舗)のハイブリッド展開を進めていくとしている。


観光署長に就任した陳玉秀氏(交通部公式サイトより)

交通部観光署は6月27日、観光署長の交代式を実施、初代署長の周永暉氏が退任し、台湾鉄道株式会社の董事(取締役)である陳玉秀氏が新署長に就任した。新署長の陳氏は、観光局が観光署に昇格後、初の女性署長であり、また、民間から直接登用された初めての署長となる。

陳氏は台北市内の文化地区「松山文化創意園区」で運営責任者を務め、赤字経営から黒字化を達成、過去には台中市のテーマパーク「麗宝楽園」にアウトレットモールやホテルなどを統合し、「麗寶リゾート」として発展させる事業にも従事した。また、アジア最大級のIT・コンピューター見本市である「COMPUTEX TAIPEI」を十数年に渡って主催した実績もあり、海外からのビジネス旅行者集客・サポートについて熟知しているとして、期待されている。

就任の挨拶で陳氏は、「民間出身の長官として、政府と産業界との深い対話を始め、エビデンスに基づく行政運営を強化するための重要なスタート地点になった」と述べ、観光の発展には省庁横断的な連携に加え、地方自治体、産業界、学界、地域コミュニティの参画と協力が不可欠であるとし、今後はあらゆる関係者と手を取り合って観光全体の体質強化に取り組むと表明した。


MITSUI OCEAN FUJI(典蔵旅遊提供)

三井グループ傘下の商船三井クルーズが運航するクルーズ船「MITSUI OCEAN FUJI(ミツイ・オーシャン・フジ)」が9月から10月にかけて、台湾初就航となる全6航海を実施する。台湾における出発港は北部の基隆、蘇澳、東部の花蓮で、沖縄本島および周辺の離島へと向かう航路となっている。

「MITSUI OCEAN FUJI」は総トン数32,477トン、乗客定員は最大458人で、数千人規模の大型クルーズ船とは異なり、ラグジュアリークラスのクルーズ船だ。台湾市場に向け、日本ならではの上質なおもてなしを特色として打ち出している。全229室のすべてがスイートルームであり、9割の客室にベランダが備わっている。ペントハウススイート以上の客室に滞在の場合はバトラーサービスが利用でき、荷物の運搬サポートや荷造りの手伝い、寄港地観光ツアーや有料の食事、スパの手配など、様々なきめ細かいサービスが受けられる。

同船による台湾発クルーズは9月29日から10月23日の期間中、6便の運航を予定しているが、航路には沖縄本島及び那覇のほか、西表島、石垣島、久米島、座間味島、与那国島などが含まれており、沖縄の離島文化をより深く体験できる内容となっている。台湾における総代理は、凱旋旅行社グループの典蔵旅遊が務めている。


ブルネイ国際空港(資料写真/Shutterstock)

フィリピン駐台代表処は6月19日、7月1日より、台湾(中華民国)のパスポートを所持し観光目的で入国する者に対し、最長14日間のビザ免除措置を実施すると発表した。また、続く6月23日にはブルネイ政府も、即日より有効期限6か月以上の台湾のパスポートを所持する者に対して、最長14日間ビザ免除での入国を認めると発表した。台湾外交部はフィリピンとブルネイの両国政府に対し、心から歓迎すると表明している。

台湾は前総統の蔡英文政権時代より、東南アジアやインドなどとの関係強化を目指す「新南向政策」を打ち出しており、2016年8月以降、タイ、フィリピン、ブルネイの3か国を対象に、台湾訪問時のビザ免除措置を実施してきた。同時に、相互主義の原則に基づき、これら3か国にも台湾国民へのビザ免除を積極的に働きかけていたが、昨年のタイによるビザ免除措置に続き、フィリピンとブルネイも台湾人に対するビザ免除を導入したことで、政府による長年の努力が実を結んだかたちとなった。


国際航空燃油価格を公示する台湾中油(資料写真/Shutterstock)

チャイナエアライン、エバー航空、スターラックス航空のフルサービスキャリア(FSC)3社は、7月7日から国際線旅客向け燃油サーチャージを値上げすると発表した。短距離及び長距離路線の双方ともに対象で、長距離では最大189台湾ドル、短距離でも72台湾ドルの値上げが見込まれる。

台湾籍航空会社の国際線旅客向け燃油サーチャージは、国営企業の台湾中油(CPC)が公示する国際航空燃油価格に基づいて決定されている。台湾中油が7月に発表した価格が1バレルあたり平均92.99米ドルで、基準価格が1バレル40ドルであったことから、航空会社3社共に燃油サーチャージの値上げを決定したかたちだ。7月7日以降、短距離路線の1区間あたりのサーチャージは17.5米ドル(約505台湾ドル)で2.5米ドル(約72台湾ドル)の増額、長距離路線では1区間あたり45.5米ドルとなり、6.5米ドル(約189台湾ドル)引き上げられた。


台北市で日台鉄道観光サミットフォーラム開催(台湾鉄道観光協会公式サイトより)

台湾鉄道観光協会が主催する「日台鉄道観光サミットフォーラム(台日鐵道觀光高峰論壇)」が、7月4日に台北市の交通部運輸研究所で開催された。日台の産官学分野から100名以上の参加者が集まり、意見が交わされた。

フォーラムでは、「低炭素旅行(脱炭素化旅行)とデジタルマーケティングの二軸による鉄道観光の発展」をテーマにした基調講演が行われたほか、交通部運輸研究所の林継国所長が司会を務め、日本民営鉄道協会の杉山健博会長、原恭前副会長、羽尾一郎理事長、台湾鉄道観光協会の周永暉理事長、黄信川理事、国営台湾鉄路公司(台鉄)の黄振照副総経理らが、日台の鉄道観光について深い議論を交わした。フォーラムの最後には、台湾鉄道観光協会と日本民営鉄道協会が、今後も継続的に交流イベントを開催し、日台間の鉄道観光の絆をさらに深めていくとする意向を共に表明した。


2025年1~4月
累計出国人数
5,967,561
前年
同期比
+11.7%
2025年4月
出国人数
1,475,009
前月比
 
+0.8%

2025年4月 台湾人出国人数及び成長率(目的地別)

台湾の各空港における国際定期便搭乗率(2025年5月)

就航都市及び航空会社ごとのフライト数、座席数、搭乗人数、搭乗率を一覧表にまとめています。

出典:内政部移民署、交通部観光署統計資料庫
※上記は出国後最初に到着した国・都市。乗り継ぎの場合なども含むため、実際の目的地と異なる場合あり。


概要
キャセイパシフィック航空と香港政府観光局(香港旅遊發展局)による香港旅行プロモーション業務を担当。台湾人にとって香港は身近な旅行目的地であり、著名観光スポットなどについてはすでに一定の知識を有している。そこで、香港への訪問・再訪意欲を向上させるため、「現地でしか味わえない本場のグルメ」という切り口で、香港旅行の新たな魅力を訴求した。また、台湾人の香港旅行は FIT(個人旅行)が主流であることから、キャセイパシフィック航空利用のお得なフリープラン商品(航空券+宿泊)を紹介し、各旅行会社の商品販売ページへと誘導した。

ランディングページの制作・運営

ランディングページのトップビジュアル

「香港があなたの味覚を満足させてくれる」というキャッチコピーに、広東料理のビジュアルをダイレクトに組み合わせ、シンプルながらインパクトのあるトップビジュアルを制作。また、キャセイパシフィック航空利用のフリープラン商品情報(「キャセイパシフィック航空利用 航空券+宿泊 香港2泊3日が7,777台湾ドルから」)を目立つように配置し、お得に行ける香港をアピールした。

ビジネスクラス利用フリープラン商品の紹介(旅行会社の販売ページリンクも設置)

現地の旅行会社9社(五福旅行社、可楽旅遊旅行社、吉帝旅行社、東南旅行社、易飛網国際旅行社、易遊網旅行社、泰元旅行社、雄獅旅行社、温馨旅行社)と連携、おすすめのフリープラン商品を選んでもらい、ランディングページで掲載した。費用を抑えた旅行を好む若者層に向けては、エコノミークラスを利用してリーズナブルに宿泊できる商品を紹介、経済的に余裕がある層に向けては、ビジネスクラスを利用して高級ホテルに宿泊する商品を紹介して、ひと味違う香港旅行を想起させ、リピート旅行の意欲を向上させた。

広東料理の特色「鑊氣(強い火力を活かし中華鍋で調理した料理特有の風味)」を味わえる料理を紹介

香港グルメ(広東料理)の特色として「鑊氣(台湾の中国語では「鍋気」)という言葉がよく使われるが、これは、中華鍋を使い、強い火力で調理された料理だけが有する特有の香ばしさや風味のこと。ランディングページではこの「鑊氣」を存分に感じられる広東料理10品を厳選して紹介、また、これらの料理が実際に味わえる現地レストランを紹介するマップ付きデジタルチラシもダウンロードできるようにした。

往路と復路で利用でき、グルメも味わえるキャセイパシフィック航空のラウンジを紹介

本案件では、ビジネスクラスを利用したワンランク上の香港旅行も訴求していることから、キャセイパシフィック航空の空港ラウンジ(台湾桃園/香港)と、そこで味わえるグルメについても紹介。航空会社自体が有する魅力も同時に訴求した。

実際の特設サイトはこちらから
>>> https://cxgourmetpromotion.discoverhongkong.com/tc/

■ 大手メディアとのタイアップ

大手メディア「鏡週刊」で、香港島と九龍のレストラン紹介記事を掲載

台湾現地で人気・知名度の高い週刊誌「鏡週刊(Mirror Media)」とタイアップし、香港で「鑊氣」を堪能できるレストランを紹介するオンライン記事を掲載した。記事は2本で、それぞれ香港島と九龍で広東料理の名店10店を紹介する内容となっている。また、ランディングページのグルメ紹介部分でダウンロードできるデジタルチラシの編集・デザイン制作も「鏡週刊」が担当した。

記事1:香港島「鑊氣」の名店全攻略!
記事2:九龍「鑊氣」の名店全攻略!

「鏡週刊」が編集・デザインを担当した香港のレストランを紹介するマップ付きデジタルチラシ。

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