
目次
台湾旅行市場の現況
■台湾人の海外旅行:訪日旅行での支出は百貨店や小売などショッピングに集中
■JTA日本トランスオーシャン航空、2026年2月に沖縄-台北路線を開設
■台湾鉄路とJR九州が協力覚書(MOU)に署名 鉄道観光などでの協力を確認
■台湾籍の航空各社、現役軍人を対象とした軍人節限定特典を続々打ち出す
■雄獅旅行社が「アジアで最も働きやすい企業」受賞 台湾の旅行会社として初
■スターラックス航空とエバー航空が、米国籍航空会社との提携を発表
台湾人の出国統計データ
最新プロモーション事例~チャイナエアライン×香川県プロモーション

台湾人の海外旅行:訪日旅行での支出は百貨店や小売などショッピングに集中

小売やEコマース、観光、飲食などの流通業界全般を研究・分析している台湾のシンクタンク、「未来流通研究所」が8月26日、「台湾における旅行消費市場の規模と消費構造」に関する調査結果を発表した。今回はその内容から、台湾人の海外旅行に関する部分を抜粋してご紹介する。
● 海外旅行者数の動向
台湾の海外旅行者数は2019年に1,710万人と過去最高を記録、コロナの影響で2021年は36万人まで落ち込んだものの、その後回復が進み、2024年には前年比42.8%増の1,685万人に達し、2019年のピーク時と比べてもわずか1.5%の差にまで迫っている。
主な旅行先は依然として日本が首位で、2024年は全体の35.6%を占めている。以下、中国(16.4%)、韓国(8.5%)、ベトナム(7.5%)、香港(7.1%)、タイ(6.7%)と続く。
特筆すべきは、2019年と比較した際の旅行者数の伸びで、ベトナム(+48.1%)、タイ(+35.1%)、韓国(+22.3%)、日本(+18.2%)は、上位数か国で全体の出国増加率を大きく上回っている。2025年の年間出国者数はすでに1,884万人に達していることから、過去最高を更新するとみられている。
● 海外旅行の消費市場規模
台湾人の海外旅行消費市場は2022年以降、成長軌道に復帰、2024年は1人当たりの平均旅行日数が7.87泊から7.25泊に減少した一方、1人当たりの旅行消費額は4万7802元から5万5541元へと増加している。
今回の調査によると、2024年の海外旅行消費規模は、2022年と2023年の2年連続200%超の高い成長基盤の上に、さらに31.2%増加し、過去最高の9,358億元に達した。2025年には総額が1兆台湾ドルを突破すると予想されている。
● 海外旅行での消費項目内訳

調査では聯合クレジットカード処理センターのデータを用い、台湾人が主要渡航国でどのような分野に支出しているかを分析している。結果として、国・都市ごとに消費嗜好の地域差や産業集中の特徴が明確に表れたかたちとなっている。
例えば日本では、円安、免税制度の利便性、商品力の高さといった要因が重なり、百貨店、アパレル専門店、その他小売など、「ショッピング関連支出」が全体の53.6%を占め、台湾人旅行者にとって日本がショッピングの最優先目的地であることを裏付けている。
また、韓国は美容医療産業の台頭と観光の結合により、医療・ヘルスケアや美容・理容関連サービスが支出全体でそれぞれ第2位と第5位に躍進。そのほか、香港ではアパレル専門店や飲食サービスへの支出が目立ち、アジアのショッピングとグルメの発信地として高い魅力を有しているといえる。
JTA日本トランスオーシャン航空、2026年2月に沖縄(那覇)-台北(桃園)路線を開設

日本航空(JAL)グループ傘下の日本トランスオーシャン航空(JTA)」は8月19日、2026年2月に沖縄(那覇)-台北(桃園)路線を開設すると発表した。JTAにとっては初の国際定期便運航となる。
新路線は直行便で毎日運航を予定しており、運航スケジュールは未定だが、現時点では沖縄(那覇)発が午前8時台、台北(桃園)発が午前10時台となる見込み。主力機材はボーイング737-800型機で、客室には「クラスJ」とエコノミークラスが設定される。クラスJではプレミアムエコノミーに近いサービスが提供されるほか、エコノミークラスでもシートピッチは31インチ(79cm)と、快適性を高めている。
沖縄を拠点とする日本トランスオーシャン航空は、主に沖縄と宮古島・石垣島などを結ぶ国内線16路線を運航している。過去には台湾の旅行会社らと連携し、「台北-沖縄(那覇)」、「台北-石垣島」のチャーター便を不定期に運航していた。
台湾鉄路とJR九州が協力覚書(MOU)に署名 安全・運航技術や鉄道観光などでの協力を確認

交通部の陳世凱部長(大臣に相当)は、台湾鉄路公司(台鉄)の鄭光遠董事長及び複数の幹部を率い、JR九州による鉄道経営の実績を視察するため、8月19~22日の日程で日本を訪問した。
8月19日には、台鉄の鄭董事長とJR九州の古宮洋二社長が協力覚書(MOU)に署名。双方は鉄道事業及び関連事業における情報交換を通じて、将来的な協力分野を探り、推進していくことを確認した。覚書には、安全や運行技術、ライフスタイル関連事業、鉄道観光、企業の持続的発展などの議題が盛り込まれた。
式典に立ち会った陳部長は「台湾と日本は交通運輸分野で長年密接な交流を続けており、特に鉄道技術や運営管理において深い信頼と強固な協力関係を築いてきた。JR九州は鉄道事業の多角的経営や観光列車ブランドを通じた地域創生の分野で豊富な成果を上げており、現在積極的に変革と発展を進めている台鉄にとって大きな示唆となる」と述べた。
台湾籍の航空各社、現役軍人を対象とした9月3日の軍人節限定特典を続々打ち出す

台湾の頼清徳総統が7月1日に提案した「ビジネスクラスに空席があれば、軍人へのアップグレードを検討してほしい」という発言は、当時大きな話題となったが、台湾籍の各航空会社は9月3日の軍人節を前に、提案に呼応するかたちで次々と軍人節限定の特典を打ち出した。以下は、各社の特典内容。
チャイナエアライン
9月3日に現役軍人がチャイナエアライン及びマンダリン航空運航の台北・松山、台北・桃園、台中、高雄発国際便に搭乗する場合、チェックイン時に専用カウンターサービスを受けられるほか、ビジネスクラスに空席があれば、無料でアップグレードされる。また、チャイナエアラインでは、同行する家族1名も同様のサービスを受けることができる。
エバー航空
9月3日、現役軍人がエバー航空及びユニー航空の台北・桃園、台北・松山、高雄発の国際線に搭乗する場合(一部便を除く)、空席があれば、ビジネスクラスへのアップグレードが受けられる。また、9月3日以降、従来の「現役軍人優先搭乗」サービスを拡大、同行する家族1名も対象となる。
スターラックス航空
現役軍人に対して、9月3日運航の便に空席がある場合、ビジネスクラスへのアップグレードを提供。対象はスターラックス航空の台湾発路線で、機材がA330もしくはA321neoで、エコノミークラスとビジネスクラスの2クラス制採用の便。さらに、9月3日以降は現役軍人と同行する家族1名が、台湾発の全路線で優先搭乗サービスを利用できる。
雄獅旅行社が「アジアで最も働きやすい企業」賞を受賞 台湾の旅行会社として初

アジア太平洋地域の著名人材関連誌である「HR Asia」が、「アジアで最も働きやすい企業(Best Companies to Work for in Asia)」の受賞企業を発表、雄獅旅行社が長年に渡る社員育成への取り組み、企業の核心的価値の実践、そして積極的なデジタル変革推進が評価され、初エントリーで「アジアで最も働きやすい企業」賞と「テクノロジー・エンパワーメント」賞を受賞した。台湾の旅行事業者としては、共に初の受賞となる。
「アジアで最も働きやすい企業賞」は、社員の福利厚生、職場文化、持続可能な発展、人材マネジメントの実践において傑出している企業を表彰するもので、選考は専門の審査員によるインタビューと、社員への匿名アンケート調査を組み合わせて行われる。雄獅旅行社は「組織への共感」、「情緒的なつながり」、「チームへの帰属意識」という3大指標で業界平均を上回ったほか、「テクノロジー・エンパワーメント」の分野で、特に社員から高く評価されたとのこと。
雄獅旅行社は「今回の受賞は、当社による人事政策とガバナンス成果に対する肯定であると同時に、全社員と共に築き上げた栄誉でもある。変化と挑戦に満ちた世界の旅行市場において、AIによるエンパワーメントは未来の競争力を左右する鍵であり、今後もデジタル変革をさらに深化させ、テクノロジーと国際化の両輪で邁進していく」とコメントしている。
スターラックス航空とエバー航空が、米国籍航空会社との提携を発表

スターラックス航空は8月15日、アメリカン航空との提携を発表、両社の路線網を連携させることで、台北と北米主要都市を結ぶ利便性が大幅に向上するとしている。スターラックス航空便で米国に到着した旅行客は、アメリカン航空の便に乗り継ぐことで、ニューヨーク、フィラデルフィア、ボストン、シカゴ、シャーロット、マイアミ、ダラス、ラスベガス、メキシコシティなど、多くの大都市へのアクセスが可能となる。
8月26日にはエバー航空もサウスウエスト航空との提携を同日より開始すると発表。旅行客はロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトル、シカゴの4大都市を経由して、サウスウエスト航空が全米に張り巡らせるネットワークに接続し、フェニックス、オースティン、ラスベガス、デンバーなどを含む全米30都市以上へ移動できるようになるとしている。
台湾籍の航空会社としては、チャイナエアラインも、すでに6月2日にサウスウエスト航空との提携を発表している。
台湾人の出国統計データ
| 2025年1~6月 累計出国人数 9,141,262 |
| 前年 同期比 +10.6% |
| 2025年6月 出国人数 1,648,672 |
| 前月比 +8.1% |
2025年6月 台湾人出国人数及び成長率(目的地別)

台湾の各空港における国際定期便搭乗率(2025年7月)
就航都市及び航空会社ごとのフライト数、座席数、搭乗人数、搭乗率を一覧表にまとめています。

台湾の各空港における
国際定期便搭乗率
(2025年7月)
出典:内政部移民署、交通部観光署統計資料庫
※上記は出国後最初に到着した国・都市。乗り継ぎの場合なども含むため、実際の目的地と異なる場合あり。

チャイナエアライン×香川県 「香川超展開」プロモーション
■ 概要
チャイナエアラインと香川県による共同プロモーション。2025年は「瀬戸内国際芸術祭」が3年ぶりに開催される年であることから、「美景=常設展」、「特別展=瀬戸内国際芸術祭」、「体験展=美食」という風に、香川県をひとつの美術館と見立て、「県全体が美術館」というコンセプト・切り口で訴求した。宣伝広告の手法については、主にランディングページ開設、デジタル広告展開、KOL連携などを実施した。
■ランディングページの制作・運営
1. トップビジュアル「日本最大の都市美術館 香川超展開」

2. 常設展 香川の美景(スポット紹介)

3. 特別展 瀬戸内国際芸術祭(イベントの詳細と展示作品の紹介)


4. 特別展 瀬戸内国際芸術祭(イベントの詳細と展示作品の紹介)

5. チャイナエアラインのフライト情報

6. 航空券購入で獲得できる優待入場券などの情報

7. 交通アクセス

実際の特設サイトはこちらから
>>> https://event-2.7to.com.tw/25ci_kagawa/
■KOL連携(香川県と瀬戸内国際芸術祭についてのSNS投稿実施)





■その他(旅行博会場内広告、ノベルティ)

