目次
台湾旅行市場の現況
■9月下旬からの連休ラッシュ、桃園空港の利用客は195万人を突破か
■俳優の妻夫木聡さんが、日本市場向け台湾観光アンバサダー続投へ
■エティハド航空が台湾路線を開設 アラブ首長国連邦の航空会社では2社目
■大規模リニューアルの「コスタセレーナ」 11月に日韓巡る特別クルーズ展開
■「FTE台北秋季旅行博」開催 旅行セールと国際料理コンクールの二本立て
■台南-熊本、台南-沖縄路線開設へ 12月下旬からタイガーエア台湾が運航
台湾人の出国統計データ
最新プロモーション事例~タイガーエア台湾 秋田観光プロモーション
台湾の広告メディア動向
■7-ELEVEN、台湾で網羅率が最も高いリテールメディアネットワークを構築と発表


連休ラッシュを前に、桃園空港は利用客にスマートサービス活用など呼びかけ(桃園國際機場股份有限公司提供)

台湾では9月下旬から10月中旬にかけて、教師節、中秋節、国慶節の3つの連休を迎える。桃園国際空港を運営する桃園國際機場股份有限公司は9月15日、これらの連休が短い期間に集中していることを受け、延べ15日間にわたる輸送体制整備期間を設けたと発表した。同社によると、期間中に予想される利用旅客数の総数は195万人を突破する見込みとのこと。

3つの連休に伴う、輸送体制整備期間は以下の通り。
1.教師節連休:9月26日(金)~9月30日(火) 計5日間
 想定する旅客数:63万人超、1日平均12.7万人(1日当たりの発着便数は約726便)
2.中秋節連休:10月3日(金)~10月7日(火) 計5日間
 想定する旅客数:64万人超、1日平均12.9万人(1日当たりの発着便数は約728便)
3.国慶節連休:10月9日(木)~10月13日(月) 計5日間
 想定する旅客数:67万人超、1日平均13.4万人(1日当たりの発着便数は約730便)

同社は当該期間中の同空港利用客に対して、スマートサービスの活用や、公共交通機関の積極的な利用、手荷物やモバイルバッテリーに関する規定の遵守、保安検査をスムーズに通過するための工夫、パスポート有効期限の確認などを心がけるよう呼びかけている。

各連休における想定旅客数と、一日当たりの旅客数(桃園國際機場股份有限公司提供)

陳玉秀観光署長(左)と観光アンバサダー続投の妻夫木聡さん(右)(交通部観光署提供)

交通部観光署(観光庁)は9月17日に台湾メディア向け記者会見を開催、俳優の妻夫木聡さんが2025~2026年の日本市場向け台湾観光アンバサダーに再就任したと発表した。妻夫木さんが起用された前年度のプロモーションが極めて好評だったことを受け、2年連続の起用が決定したとのこと。記者会見には妻夫木さん本人も出席し、台湾でのプロモーション映像撮影時の感想などを語った。

観光署によると、昨年、妻夫木さんが観光アンバサダーに就任した際には大きな反響があり、特に日本の20~39歳の女性層から支持されたほか、40歳以上の層からの注目を集めることにも成功したという。前年度のプロモーションでは、主に台湾の美しい風景について紹介していたが、今年度はより踏み込んで、妻夫木さん個人の体験や感想の共有に焦点を当てるという。

妻夫木さんが出演する観光プロモーション映像は10月中旬の公開を予定しており、観光署は日本国内でオンラインとオフラインの両面から多角的なプロモーションを展開するとのこと。具体的には、関東及び関西での消費者向けイベント開催や、ソーシャルメディア活用プロモーション、若年層をターゲットにした異業種連携など、多様な媒体を通じたプロモーションを次々に打ち出していくとしている。


資料写真(Shutterstock)

エティハド航空は9月7日、台湾往復路線を開設、9月8日正午に初便が桃園空港に到着した。台湾市場に参入したアラブ首長国連邦(UAE)の航空会社としては、エミレーツ航空に続き2社目となる。同社は2003年に設立され、UAEの首都アブダビに本拠地を有している。ドバイを拠点とするエミレーツ航空に次ぐUAE第2の航空会社であるとともに、中東では第4位の規模を誇る航空会社として知られている。

エティハド航空運航のアブダビ―台北路線は直行便を毎日運航、全便にボーイング787-9ドリームライナーを投入している。ヨーロッパ、中東、アフリカ方面への乗り継ぎ旅客が主要ターゲットであり、直行便を多く運航する台湾籍航空会社とは戦略面で一線を画している。同社は、さらに多くの中東からのビジネス客や観光客が台湾を訪れることにも期待しているとしている。


大規模リニューアルを実施したコスタセレーナの内装イメージ(コスタ・クルーズ提供)

大規模リニューアルを経て生まれ変わったコスタ・クルーズの客船「コスタセレーナ」が、11月13日に台湾発着で韓国と日本の4寄港地を巡る8日間の東北アジア特別クルーズを運航する。コスタ・クルーズは台湾現地の旅行会社数社とも提携して商品を販売、台湾からの旅行客は台湾北部の基隆港から乗船し、韓国の済州、釜山、八代(熊本)、長崎を巡る8日間の洋上の旅を楽しむことができるとしている。

この「コスタセレーナ」の運航及び改装は、コスタ・クルーズが5年間で総額2億ユーロを投じる計画の一環であり、10月には客室、レストラン、セントラルロビー、エンターテインメント施設などの全面的なリニューアルを終える。同船はデザイナーのジョセフ・ファルカス氏による折衷主義を受け継ぎ、公共空間はデジタルアートと古代ギリシャ神話を融合したモダンなスタイルで再構築されるなど、随所に工夫が凝らされている。客室のリニューアルに加え、ウェルカムロビーや「アポロ・グランドバー」も刷新、看板レストランである「アルチペラゴ」ではミシュラン星付きシェフと共同で新しいメニューを開発している。

「コスタセレーナ」は2026年3月及び7~10月にも台湾を母港として運航を継続し、4~6日間の行程で沖縄、石垣島、宮古島、佐世保、鹿児島に寄港を予定している。また、4月1日には日韓の桜観賞をテーマに、佐世保、韓国・麗水を訪問する特別クルーズも運航する予定だ。

コスタセレーナのリニューアル後客室例(コスタ・クルーズ提供)

多くの来場者でにぎわうFTE台北夏季旅行博の会場(画像提供:七逗旅遊網 7toTravel)

「FTE台北国際夏季旅行博(フォール・トラベル・エキスポ)」が、2025年も9月26日から29日までの4日間、台北世界貿易センター1号館で開催され、初日から多くの来場者を引きつけた。主催側によると、今年の一番の目玉は、「旅行商品割引セール」と「国際料理コンクール」を融合させている点とのことで、会場ではお得な旅行商品や特色あるギフトなどのほか、創意工夫に溢れた料理までが一堂に会し、会場を一巡するだけで「遊ぶ・買う・食べる」という3種の体験を一度に楽しめるという、FTEならではの特色を打ち出していた。

会場では、台湾現地の各旅行会社らが様々なキャンペーン商品を販売。例えば、1名分購入でもう1名が無料になる旅行商品や1万台湾ドルでお釣りがくる超お得なツアー、購入するとその場で13,000台湾ドルの割引が適用されるスイス10日間旅行、MSCクルーズで2人目最大1万台湾ドル引きなど、それぞれに驚きの価格が並び、来場者から人気を集めていたようだ。

会場で同時開催された「2025 TCAC台湾国際料理美食チャレンジマッチ」も、本旅行博のもう一つの大きな焦点となった。これは台湾で唯一、「世界司厨士協会連盟(WORLDCHEFS)」からの認定を受けた国際料理コンクールであり、台湾、韓国、オーストラリア、シンガポールなど8か国566人の料理人が集結し、加熱料理、冷製料理、菓子づくり、食品彫刻、コーヒー及びドリンクなどの各部門で腕を競い合った。ちなみに今回は初めて寿司部門と団体戦が設けられたという。旅行博の来場者はトップシェフたちの技を間近で観賞することができ、他の旅行博にはない独自の体験に大満足していたようだ。


台南と熊本、沖縄を結ぶ路線を開設するタイガーエア台湾(黄偉哲台南市長のFacebookより)

台湾・南部の台南で市長を務める黄偉哲氏は10月1日、台南-熊本、台南-沖縄の2路線が12月下旬に開設されると、自身のFacebookページで発表した。台南市政府との連携により、LCCのタイガーエア台湾が運航する。

黄市長によると、台南-熊本路線は12月23日に就航し、毎週火・金曜の運航を予定、台南-沖縄(那覇)路線は12月25日に就航し、毎週木・日曜に運航されるとしている。フライトスケジュールなどの詳細は、後日、タイガーエア台湾から正式に発表されるとのこと。


2025年1~7月
累計出国人数
10,874,720
前年
同期比
+10.5%
2025年7月
出国人数
1,733,458
前月比
 
+5.1%

2025年7月 台湾人出国人数及び成長率(目的地別)

台湾の各空港における国際定期便搭乗率(2025年8月)

就航都市及び航空会社ごとのフライト数、座席数、搭乗人数、搭乗率を一覧表にまとめています。

出典:内政部移民署、交通部観光署統計資料庫
※上記は出国後最初に到着した国・都市。乗り継ぎの場合なども含むため、実際の目的地と異なる場合あり。


タイガーエア台湾による秋・冬の秋田旅行プロモーション。台湾では、高い山に登らなければ秋の紅葉を楽しむことは難しい。また、平地部分では冬に気温が氷点下になることはほぼなく、基本的に雪も降らないことから、日本の冬の風景に対して、一種の憧れのような気持ちを抱いている。そのため、台湾ではできない体験として、紅葉シーズンに合わせての訪日が長年人気を博しているほか、近年では日本でスキーやスノーボード、雪遊びを楽しむという旅行スタイルも一般的となってきている。そこで、0℃や-10℃といった台湾ではなかなか体験できない気温を切り口にすることで、秋田の秋と冬の魅力を強く印象付けるというコンセプトを設定し、各種宣伝広告などに展開した。

1. トップビジュアル「気温が何度でも楽しい秋田」
18℃、12℃、0℃、-6℃、-10℃、それぞれの気温の際におススメの観光スポット・イベントなどをメインビジュアルに使用、紅葉、温泉、かまくら、樹氷という台湾では観ることができない、日本ならではの風景を通じて、秋田旅行を訴求した。

18℃:法体の滝(ほったいのたき)
12℃:角館の武家屋敷(左)、0℃:乳頭温泉郷(右)
-6℃:横手のかまくら(左)、-10℃:森吉山の樹氷

2.季節別おススメ旅行コンテンツ紹介

紅葉の名所や冬の美景、イベントなどを紹介。

3. 秋田のご当地グルメ紹介

秋・冬にふさわしい鍋やラーメン、お土産にもできる甘味など、様々なご当地グルメを紹介。
タイガーエア台湾公式Facebookページで展開した投稿型広告
LINE LAP運用型広告
人気ブロガーによる秋田観光紹介記事を公開
写真出典:數位時代 Business Next

統一企業グループの7-ELEVEN、統一数網(PRESCO)、統一資訊(President Information)は、台北国際会議センターで「リテールメディア新時代~RMNメディア説明会」を開催、台湾7-ELEVENのリテールメディアネットワーク(RMN)について紹介した。

7-ELEVENは台湾全土で7,100店舗以上を展開しており、約7,000台の「OPEN!CHANNELデジタルサイネージ」、16,000台超の「X POSレジ端末」、3,500台の「冷蔵商品棚上部スクリーン」、pDOOH(プログラマティック・デジタル屋外広告)である300台以上の「ショーケース用デジタルサイネージ」が設置されている。これに1,900万人の会員を有する「OPENPOINT APP」を組み合わせることで、台湾で最も高い網羅率を誇るリテールメディアネットワークを構築、日常生活のあらゆる場面で、オンラインからオフラインまでシームレスに広告を露出することができるとしている。

今回の説明会イベントには、約200名の広告クライアント、マーケティング代理店、パートナー企業らが出席、7-ELEVENのリテールメディアネットワークに対する高い関心がうかがわれる。また、Google Taiwan、TenMax、Aotter、台湾デジタルマーケティング協会(DMA)など業界の専門家からは、リテールメディアの発展動向、データドリブンによる精緻なターゲティング戦略、オンラインとオフラインを融合するマーケティング手法の「OMO(Online Merges with Offline)」を通じた全チャネル活用など、最新情報についての共有も行われた。

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