目次
台湾旅行市場の現況
■台南と高雄で旅行博開催 くまモンと交流、“日本を応援”旅行会社ブース盛況
■来年1~3月の訪日団体料金、前年同期比で最大10%下降 円安など影響
■日中関係緊張の中、台湾では「日本円」、「日本行き航空券」の検索数が急増
■建設中の桃園空港第3ターミナル、12月から北側コンコースを試験運用
■基隆-石垣島フェリーは片道1人2,800台湾ドルから 年内就航を予定
■今年で11回目の東北PRイベント「日本東北遊楽日」が台北市で開催
台湾人の出国統計データ
最新プロモーション事例~タイガーエア台湾「秋・冬の宮崎旅行プロモーション」


TTF大台南国際旅展ではくまモンなどの人気キャラクターも登場。(大臺南國際旅展Facebookページより)

台南市旅行商業同業公会が主催する旅行博、「2025 TTF大台南国際旅展」が11月21日〜24日の4日間、南部・台南市の大台南コンベンションセンターで開催された。会場には宿泊施設、旅行会社、航空会社、また、台湾内外の自治体や観光関連団体などが集結し、海外のテーマ別ツアー、年末年始時期の旅行商品など、多彩な内容の商品を打ち出した。

今回の見どころとされていたのは日本関連エリアの「日本主題館」で、複数の日本の自治体や観光団体が出展し、旅行情報や限定グッズなどを提供していたほか、「くまモン」などの人気キャラクターも登場し、来場者との交流で会場を盛り上げた。台湾の旅行会社や宿泊施設も特色ある旅行商品や宿泊プランを提供、海峡両岸旅遊交流協会は中国・福建省の観光を主軸にプロモーションを行った。

■海外からの出展団体
日本主題館(14自治体及び関連団体):宮城県、仙台市、山形市、山形中央観光株式会社、米沢市、福島県白河市、群馬県、群馬県水上町、千葉県、金沢市、公益社団法人びわこビジターズビューロー、滋賀県、熊本県、宇城地域観光推進協議会、フィリピン政府観光省、Visit USA

KTF冬季国際旅展 開幕セレモニーの様子。(高雄市旅行商業同業公會 Facebookページより)

台湾の南部では翌週の11月28日〜12月1日にも、「2025 KTF高雄市旅行公会 冬季国際旅展」が高雄展覧館で開催された。台湾内外の旅行会社、航空会社、宿泊施設など100団体以上、約400ブースが出展し、冬休み・春節休暇商戦に向け、旅行商品や航空券の割引セール、限定企画などを多数打ち出した。

また、日中関係が悪化する中、会場では日本を応援しようという雰囲気もあり、訪日旅行を扱う旅行会社のブースはどこも盛況だったほか、日本からは仙台市、青森県、函館市、愛媛県、三重県などの自治体も出展、地域の観光コンテンツや魅力的な行程などを紹介し、多くの来場者の注目を集めていた。

■海外からの出展団体
JNTO、青森県・函館市・JR北海道、仙台市、タングラム斑尾東急リゾート、福井県、三重県、愛媛県、北九州市、フィリピン政府観光省


高雄国際空港(資料写真/Shutterstock)

中華民国旅行業品質保障協会は11月21日、2026年第1四半期(1~3月)の海外団体旅行商品における参考販売価格を発表した。訪日団体商品は円安の影響などを受けて全体的に価格が下方修正され、前年同期比で最大10%の値下げとなり、台湾人に人気の桜シーズンも3~5%ほど割安になる見通しだ。

2026年1~3月の訪日団体料金は2025年同期と比べ、平日出発で約5%下落、ピーク時期とされる春節休暇期間の2月14日~19日においても5~10%下落している。また、3月20日(春分)以降の桜シーズンについても、各社共に3~5%ほど低い水準となっているようだ。例えば、東京や京阪神の冬休みシーズン(1月24日~2月22日の平日出発ツアーは32,000~45,000台湾ドル、春節のピーク時期は61,000~79,000台湾ドルという価格に落ち着いている。ただし、北海道と東北のみ、スキー(ウインターアクティビティ)需要の高まりなどが影響し、前年同期より価格が上昇、平日43,000~60,000台湾ドル、春節ピーク時期は72,000~95,000台湾ドルとなっている。

同協会は訪日団体商品が値下がりした主な要因について、「コロナ収束後の(旅行業界が受けていた)恩恵は7月で完全に終了し、その後は旅行会社各社による市場シェアの争奪戦に入ったため、第3四半期からすでに価格調整が行われていた」と説明。また、日本の高市早苗首相が「拡張財政・金融緩和」という経済政策を掲げていることから、今後も円安基調が続くとの見方が強まっており、それが台湾のみならず、世界的な“訪日旅行ブーム”を後押しするかたちになっていると指摘している。

他のデスティネーションに目を向けると、韓国はスキーシーズン入りに伴い、前年同期と比べて航空券価格がわずかに上昇しているものの、団体旅行は台湾―韓国路線の拡大やコスト低下により、全体で約20%値下がりしているとのこと。東南アジア、北米、オーストラリア方面の団体料金も前年同期比で3~8%下降しているが、ヨーロッパ、中央アジア、アフリカ、ニュージーランド方面は、宿泊・交通費の高騰や為替などの影響を受け、団体料金は3%~20%ほど上昇している。


イメージ(Shutterstock)

「台湾有事」をめぐる高市首相の国会答弁を機に日中関係の緊張が高まっているが、一方、台湾では「これは天から降ってきた好機だ」、「この機会に日本へ旅行して、中国人がいない環境を満喫したい」など、冗談交じりのコメントがSNSなどで多くみられるようになっている。台湾現地メディアの「自由時報」や「NOWnews」によると、日中関係の悪化後に「日本円」や「日本行き航空券」などの検索数が急増したとのことで、台湾人による日本への支持は口先だけではなく、実際の訪日意欲に結びついていることが浮き彫りになったという。

自由時報の11月20日付の記事によると、「Google トレンド」のデータを確認したところ、記事執筆時の過去24時間で「日本円」の検索件数が1万件以上となり、検索量が200%以上増加、「日本行き航空券」の検索件数も1,000件を超え、増加率は100%以上に達したという。詳細データをみると「日本行き航空券」を検索したユーザーの一部は、同時に「台湾有事」や「日中関係緊張」などの関連ワードも検索しており、中国による日本への渡航自粛呼びかけと一定の関連性が見られるとしている。多くの台湾人が、「中国人観光客の減少は訪日旅行の品質向上につながる」と認識し、旅行目的地としての日本人気の更なる追い風になっているようだ。

「日本円」(左) と「日本行き航空券」(右) の検索量推移(Googleトレンド 出典:自由時報)

桃園空港第3ターミナル北側コンコース(桃園国際空港Facebookページより)

台湾北部の桃園国際空港で12月1日、第3ターミナル北側コンコースの試験運用が開始された。この日はチャイナエアラインCI130便、エバー航空BR116便、スターラックス航空JX741便が運航され、乗客968名が札幌もしくはタイ・バンコクへと出発した。

同空港の第3ターミナルは現在、建設と整備が進められており、2027年8月~同年末に全面完成及び開港を予定している。北側コンコースは全長738メートル、天井高13メートルで、D11〜D18まで8つの大型搭乗ゲートを新設、年間で乗客約580万人の処理能力を見込んでいるとのこと。今回の試験運用では、運用する時間帯や出発便及び到着便の組み合わせを変えながら、各施設の稼働状況や運用プロセスを綿密に検証するほか、航空会社や利用客からもフィードバックを集めて、年末の正式稼働に向けた準備を進める。

桃園空港の運営会社によると、将来的に第3ターミナルの南北コンコースは航空需要に応じて柔軟に運用され、外資系航空会社を含むすべての航空会社で利用可能になるとのこと。利用客と航空会社双方の利便性向上を重視しており、特にピークの時間帯におけるランプバスで移動しての搭乗を減らしたいとしている。

北側コンコースの試験運用開始当日は、台湾籍3社の便が出発。(桃園國際機場股份有限公司提供)

基隆-石垣島航路に投入される「YAIMAMARU(やいま丸)」(華岡集団公式サイトより)

台湾北部の基隆と石垣島を結ぶフェリーが年内の就航を予定しているが、その運賃は8種類に分かれ、最も安い「通舖(大部屋)」タイプは片道1人2,800台湾ドルになることがわかった。交通部航港局が12月2日までに、運航事業者からの申請資料記載内容として発表したもの。

基隆-石垣島航路に投入される「YAIMAMARU(やいま丸)」は21,535総トン、全長160メートル、全幅25m、旅客定員は約545名。週3往復を予定しているとのことで、いずれも夜間に出発し、航程は約8時間となる。運賃は今年11月から来年2月までがオフシーズン料金、3月から10月がオンシーズン料金となる予定だ。

台湾側の運航事業者である華岡集団(WAGONグループ)の洪郁航総経理によると、交通部航港局に提出した運賃などの資料は、1週間以内に審査を通過する見込みとのことで、残るはパナマ船籍関連の手続きとなるが、こちらは現在進行中とのこと。また、申請した運賃はいわゆる「基準価格」で、実際に販売される際の運賃は検討中としているものの、オフシーズン時のキャンペーン価格や、就航時の試験運航価格などの設定を検討しており、オンシーズン料金より1,000〜2,000台湾ドルほど安くすることで競争力を持たせたいとしている。


「日本東北遊楽日」の会場内ステージでは、東北にちなんだ様々なイベントを実施。(啓示広告日本事業部撮影)

今年で11回目を迎える東北地方PRイベント「日本東北遊楽日」が12月6~7日、北部・台北市の文化施設「華山1914文創園区」で開催された。主催団体は3,000点以上の特産品やノベルティを用意したほか、限定体験イベントも提供するなど、台湾の来場者に向けて、より充実した内容で東北地方の文化と観光の魅力を発信した。

「日本東北遊楽日」は青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、新潟県、仙台市など、東北地方の自治体や関連団体が毎年参加しているほか、エバー航空、チャイナエアライン、タイガーエア台湾、スターラックス航空、日本航空、全日本空輸の航空会社6社も出展するなど、年々規模が拡大している。今年も各県の観光・工芸・特産品などが一堂に会し、東北旅行の多彩な魅力を発信した。

毎年人気を集める試飲イベント「東北BAR」では、今年も各県から日本酒、ワイン、果実酒などの酒類30種類以上が提供された。また、伝統工芸の体験コーナーでは、岩手県の「小岩井羊毛フェルト」、新潟県の「狐面の絵付け」、福島県の「組み木パズル」、福島市の「こけしの絵付け」、宮城県の「雄勝石加工」、秋田県の「なまはげ工芸」、山形県の「絵ろうそくの絵付け」など、来場者に向けて各地の様々な手作り体験イベントを提供した。


2025年1~9月
累計出国人数
14,109,540
前年
同期比
+10.6%
2025年8月
出国人数
1,498,878
前月比
 
-13.7%

2025年9月 台湾人出国人数及び成長率(目的地別)

台湾の各空港における国際定期便搭乗率(2025年10月)

就航都市及び航空会社ごとのフライト数、座席数、搭乗人数、搭乗率を一覧表にまとめています。

出典:内政部移民署、交通部観光署統計資料庫
※上記は出国後最初に到着した国・都市。乗り継ぎの場合なども含むため、実際の目的地と異なる場合あり。


タイガーエア台湾による秋・冬の宮崎旅行プロモーション。同社の主要ターゲットである若者層(Y世代~Z世代)は登山やトレッキングへの関心が高い点に注目、デスティネーションとしての宮崎県の魅力を訴求するに当たり、「登山」、「秘境」という切り口でのプロモーションを考案した。初心者からベテラン登山者まで楽しめる、秋と冬の6つの登山路線を紹介することで、訪日リピーターが多い台湾市場において、これまでの宮崎旅行に対するイメージを覆し、新鮮に映る旅行コンテンツを紹介した。

1. トップビジュアル

6つの登山ルートを、シンプルなビジュアルで表現、このビジュアルをキービジュアルに設定し、各種デジタル広告などに展開した。

2.難易度別登山ルート(初級・中級・上級)紹介

■初級ルート:諸塚山、行縢山
■中級ルート:えびの高原、高千穂峰、祖母山
■上級ルート:大崩山

3. 秋・冬のおススメスポット紹介

4. 秋・冬のおススメグルメ紹介

実際のランディングページはこちらから>>>
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SHIN追景人的日常https://reurl.cc/pKrAG4

山女孩:https://reurl.cc/MM4VpX

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